ページトップへのバック用アイコンTOP > 箱庭の賢治氏
第一話十七章 鷺の停車場

「アルビレオの観測所」を通過した汽車は、「鷲の停車場」を目指して進んでいくこととなる。

九、ジョバンニの切符

「もうじき鷲の停車場だよ。」

(中略・・・タイタニック号沈没部分)

「あ孔雀が居るよ。」 (#1)

#1 くじゃく座を眺める

その窓の外には海豚の形ももう見えなくなって川は二つにわかれました。そのまっくらな島のまん中に高い高いやぐらが一つ組まれてその上に一人の寛い服を着て赤い帽子をかぶった男が立っていました。 (#2)

#2 遠ざかるいるか座の横にやぐら

(どうして僕はこんなにかなしいのだろう。僕はもっとこころもちをきれいに大きくもたなければいけない。あすこの岸のずうっと向うにまるでけむりのような小さな青い火が見える。あれはほんとうにしずかでつめたい。僕はあれをよく見てこころもちをしずめるんだ。)  (#3)

#3 こと座を眺める

そのとき汽車はだんだん川からはなれて崖の上を通るようになりました。向う岸もまた黒いいろの崖が川の岸を下流に下るにしたがってだんだん高くなって行くのでした。 (#4)

#4 崖沿いに進む

カムパネルラが「あれとうもろこしだねえ」とジョバンニに云いましたけれどもジョバンニはどうしても気持がなおりませんでしたからただぶっきり棒に野原を見たまま「そうだろう。」と答えました。そのとき汽車はだんだんしずかになっていくつかのシグナルとてんてつ器の灯を過ぎ小さな停車場にとまりました。 (鷲の停車場より)

鷲の停車場
停車場の位置はこの面の側面になる。

(考察・画像に 「つるちゃんのプラネタリウム」使用)



「鷲の停車場」は「しずかなしずかな野原のなか」にあり、ここを境として、登場する星座は、南半球のものへと変わっていく。
すなわち、ここは、銀河を立体的にとらえるのであれば、メビスウの帯のねじれ部分ということになり、午前2時を境として、霊界へと進んでいくこととなる。
故に、ここから眺めた現世の時計は、ちょうど反転し、10時の方向を示すのである。

しかし、第十五章の「時間と座標の相関図」からは、ある疑問が生ずる。

2時を経過してから北半球で地平線より現れる「ふたこ座」が、何故、南半球の出来事として登場しているのか・・・。

また、星祭りらしく、「琴座」を出発点としていながら、午前2時に、天頂に達する「鷲座」の構成星は見当たらない。
次章では、この疑問を考察してみる。


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