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第二話十六章 盛岡電気株式会社
この物語に出てくる「電気会社」とは「盛岡電気会社」のことなのであろうか。
昭和3年刊行の「盛岡市外鳥瞰図」を見てみると、建物らしきものは描かれているのだが、小さく、判別できるもものではない。
ところが、大正9年刊行の「盛岡市街府瞰図絵」の裏には、「盛岡電気会社」の広告が掲載されていたのである。


盛岡電気広告


これを見る限りでは、ポプラは描かれていない。
考えられることは

1.「盛岡電気株式会社の前には、元からポプラは植栽されていなかった。
 (ジョバンニが通った「電気会社」は「盛岡電気株式会社」ではなかった。)
2.イラスト上、車道に植栽されていた樹木を描かなかった。
3.植栽されたのは、大正9年以降である。
4.設立当初は植栽されていたものが、工場の規模拡大等により伐採された。


という理由である。
残念ながらポプラは寿命の短い樹木で、約40年と言われている。
つまり、植栽が継続されていない限り、現存しているという可能性は非常に低いと言わざるをえないのである。

尚、広告の会社名が「盛岡電気工業株式会社」となっているのは、「盛岡電気株式会社」が改称されたためである。


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