これは、ジョバンニが天気輪の丘へと戻ってきて、牛舎へ立ち寄り、カンパネルラが川へ落ちたところへ到達する直前の文章である。
この表現からは、5分程度の経過時間とはとれない。
ここへ到着し、カンバネルラの訃報を聞き、更にお父さんが「もう駄目です。落ちてから四十五分たちましたから。」と宣告する時間が、第十二章で考察した23時20分なのであろう。
尚、最初稿では、天気輪の丘へと戻ってきたジョバンニが、かなり長い時間に渡って会話することとなり、「琴座」がかなり移動したことで、時間の経過を表現したもので、最終稿では、この会話を削除し、牛舎に立ち寄ってすぐに訃報を聞くこととなったため、この琴座の動きを削除したものと推測される。
|