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第二話四十六章 入口から牛舎へ(最終稿)
以下は、再び牛乳屋へと立ち寄ったジョバンニが、競馬場を牛舎として想定して、街中へと向かっていくところを示してみたものである。


入口から牛舎まで


これは、かなり遠回りしていることになる。
しかし、最初に訪れた時には、「ジョバンニは、お辞儀をして台所から出ました。」という表現になっている。
そして、丘から牛乳屋へと再び戻ってきたジョバンニは、「どんどん黒い松の林の中を通ってそれからほの白い牧場の柵をまわってさっきの入口から暗い牛舎の前へまた来ました。」という道筋が描かれている。
最初は牛舎に立ち寄らず、黒い門を入った台所だけで用を済ませたということから、この「暗い牛舎の前へまた来ました。」という文章の「また」という表現は、最初に訪れた時にかかっているものではなく、入口を通ったジョバンニが「今来た方向へと戻っていった」という解釈になる。

病気のお母さんに早く牛乳を届けたいという思いがあることから、丘から直接牛舎(競馬場)へ向かった方が早いとは思うのであるが、牛乳が届いていないことを台所で伝えてあるため、もしかして台所に置いてあるかもしれないという思いがあったのかもしれない。
しかし、既に時刻が遅いか、あるいは台所の照明が消えていて、誰も居ないという状況から、牛舎の方へ向かったということであろう。

この後に続く「ジョバンニはまだ熱い乳の瓶を両方のてのひらで包むようにもって牧場の柵を出ました。」という部分にも、かなりの具体性が出でくることになる。
わざわざ黒い門のある入口まで戻らず、直接牧場の柵から街に出ていったということであり、「しばらく木のある町を通って」というのが、黒い門のある入口に面している道のことになるのであろう。


牛舎から街へ


こうなると、この後に続く「ジョバンニはまだ熱い乳の瓶を両方のてのひらで包むようにもって牧場の柵を出ました。」という部分にも、かなりの具体性が出でくることになる。
わざわざ黒い門のある入口まで戻らず、直接牧場の柵から街に出ていったということであり、「しばらく木のある町を通って」というのが、黒い門のある入口に面している道のことになるのであろう。
これで、第二話四十四章で述べた橋へとたどり着くルートにつながることになる。



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